東庵の周りの環境は、低めの里山と畑と田んぼに囲まれている。日常の買い物はプリウスで6kmのところにあるスーパーマーケットや、役場に郵便局などである。どこに行くのにも自動車に頼ることが多い。しかし、健康のことを考えたら、歩くことも大切だ。最近は、車に頼らず、歩いている人が増えた。健康診断の指導のおかげか。
この時期、ほとんどの田んぼでは田植えが終わっている。以前はゴールデンウィークの連休に田植えをしている人達をよく見かけたが。今では四月の初めには、田植えを終えて、もうすでに苗は1ヶ月を経過して育っている。
冬の間、荒涼としていた景色も、育ってきた苗によって、一面に広がった緑が、眼にも優しく映ってくる。
たくさんの田んぼがある中で、一枚毎に全て同じ田んぼはひとつも無い。広さや形だけでなく、農薬漬けの田んぼから、減農薬、無農薬、つまり有機栽培の田んぼなど。それらが入り混じって存在している日本の米作りでの現状である。
隣の田んぼとの境にあるあぜ道に生えた雑草を、刈り払い機で草刈りをする農家と、枯れ葉剤の農薬を噴霧する農家。雑草を短く刈り取られたあぜ道と、赤茶色に枯れた雑草の残ったあぜ道が隣り合っているのも、よく見かける光景だ。
東庄町でも合鴨農法と言って、田んぼの雑草を合鴨に食べさせる農家もある。
また、隣の小見川町でも、不耕起栽培と言って、人工的に手を入れることを極端に控える米作をしている農家もある。
以前、マクロビオティックでベーガンベジタリアンを10年続けていた時。米袋を開けたとたんに、農薬のケミカルな匂いと無農薬の玄米との違いが直ぐに分かった。合鴨農法の米でも、その鳥の匂いがしたものだった。
この時期その違いを証明してくれるのが、白鷺をはじめとする田んぼの生き物を採りにくる鳥たちだ。タニシやドジョウ、かえるにザリガニ。みんな好物ばかりだ。
短い若い苗だから、餌も見つけやすい。これから暑い夏の陽をいっぱいに受けて。やがて台風にも耐え、秋の見事な黄金色の稲田を見せてくれることだろう。